はじめに
突然ですが、みなさんの好きな作家さんは誰ですか?また、最近本を読みましたか?
この質問をされると、つい難しい小説や有名な作家を言いたくなりますよね。森鴎外とか夏目漱石とか、はたまた源氏物語を読んでみたいという人もいるでしょうか。
でも・・・実際読みましたか?私はそんな頭使いながら読めないよ!と思ってしまう部類の人なのですがどうでしょうか。正直、スマホ見ている時間の方が長いですし、集中力も続かないなと感じています。
そこで、今回は現役書店員の私が児童書をおすすめします。大人の方にはいまさら児童書?とお思いになるかたもいるとは思いますが、短いお話を早く読むことで読書をするきっかけや集中力の回復、小さいころに読んだ本の気づかなかった魅力に気づくことができるかもしれません。気乗りしない方は表紙の写真だけでも見ていってくださいね!
しろくまちゃんのほっとけーき
まず一冊目は、わかやま けんさん作の『しろくまちゃんのほっとけーき』です。この本は1972年に発売され、今も図書館にありますから読んだことがある方や子どもと一緒に読んだなぁと懐かしく思われる方もいらっしゃると思います。
題名の通り、しろくまちゃんはお母さんと一緒にホットケーキを作ります。ホットケーキを焼く様子が細かく描かれています。
『こなは ふわふわ ぼーるは ごとごと だれか ぼーるを おさえてて』
『ぽたあん どろどろ ぴちぴちぴち ぷつぷつ やけたかな まあだまだ しゅっ ぺたん ふくふく くんくん ぽいっ できあがり』
「ふわふわ」「ごとごと」オノマトペを使ったこの一文はリズム感がよく、つい声に出して読みたくなります。なにか事件が起こるわけではないけれど、読んだ後は満たされる。ほっこり、にっこりしてしまうそんな本です。

ジャコのお菓子な学校
さて、二冊目はラッシェル・オスファテールさん作、ダニエル遠藤みのりさん訳の『ジャコのお菓子な学校』です。
この本の主人公ジャコは勉強が苦手、でも食べることが大好きな小学生の男の子です。学校での勉強や同年代の友達と遊ぶことが苦手なジャコはある日、図書館でクッキーの作り方が載った本を見かけます。ひとめみて、ジャコはクッキーを作って食べたい!と思う。レシピを写し、材料を計って…。
さて、このあとジャコがどのように変わっていくのかぜひ本を読んで確かめてください。
オーブンを使うことも初めてなジャコはどうやってクッキーづくりを成功させるのでしょうか。ハラハラしながらジャコのお菓子づくりを見守ってください。

動物と話せる少女リリアーネ
最後はシリーズ小説です。タニヤ・シュテーブナー著、中村智子訳の『動物と話せる少女リリアーネ』
主人公リリアーネは題名の通り動物と話すことのできる少女です。この力のせいでリリアーネは学校で浮いてしまい、何度も転校していました。でも、リリアーネは動物のことを大切に思っており、動物を巡る問題に立ち向かっていきます。そんなリリアーネを支えるのは、飼い犬で天然なボンサイ、リリアーネのお隣さんのイザヤ、そしてイザヤの飼い猫のシュミット伯爵夫人です。また、物語ごとに魅力的な動物たちが登場する点もこの本の特徴です。動物にも思いがあって、悩んでいる。そんな描写に心がギュっとなる作品です。
私はこの小説のなかで、リリアーネのお母さんがリリアーネの力を煩わしく思っていることが衝撃でした。どうして普通の子じゃないのか、母親からそういわれるリリアーネは悩みます。みなさんはこの悩みにどう向き合いますか?

おわりに
いかがだったでしょうか。読んだことのある本や読んでみたい本はあったでしょうか?
今回紹介した本は高知トラベルの名の通り、高知県にある図書館・オーテピアに所蔵されています。
棚ではなく、書庫にある場合もあるので、わからなければ司書さんに聞いてみてください。
オーテピアは図書館と科学館が一緒になった複合施設です。1階は点字の施設、2階は児童書・一般書籍のスペース、3階はビジネス本を所蔵しています。高知城、ひろめ市場といった観光地の近くにある市民の図書館、高知観光のひとつとして行ってみるのはどうでしょうか。
ここでは紹介しませんでしたが、『動物と話せる少女リリアーネ』の表紙絵を担当されているイラストレーターの駒形さんは『探偵チームKZ事件ノート』の表紙も担当されています。『探偵チームKZ事件ノート』の筆者、藤本ひとみさんの作品もとてもおもしろいので興味がある方はぜひそちらも見てみてください。
ここまで児童書の魅力を書いてきた私ですが、正直児童書のシリーズ物はパターンがあって飽きていました。そう思ったら、東野圭吾や村上春樹を読めばいいと思います。とにかく、本を読みたい、読む習慣をつけたいと思うなら最初のハードルは低いほうがいいと考えます。小学校の教科書に載っていたなぁくらいの軽い気持ちで絵本や児童書を読んでみるのはどうでしょうか。また、源氏物語や怪人二十面相といった作品も児童書になっています。挿絵多めの楽しい本をパラパラとみるのは気軽に楽しめると思いますよ。




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