積読のススメ
【積読(つんどく)とは】
入手した本を読まず、自宅で積んだままにしておくこと。
本を読む時間が無くても、思い立った時に読める環境づくりが大切です。
高知トラベルの記事、今回は、積読を促進させる本屋を4か所ご紹介します。全て個人で経営されれているため、それぞれ違った個性を持っています。そのため、貴方だけの1冊が見つかるかもしれません。また、高知市という比較的アクセスしやすい場所にあるため、気軽に足を運ぶことができます。
『MP Studio.』
旭町にある、アートスタジオと併設している本屋です。夜に行きましたが、外から店内の様子が窺えることと、光によって夜の街に浮かび上がっていることで、ふらっと好奇心から立ち寄りたくなる外観でした。


こちらは古本が大半を占めており、新本は少しだけ置かれています。今回取り上げたお店の中では、一番漫画を多く扱っている印象でした。
本だけでなく、キーホルダーやブレスレットなども販売しています。

ドリンクも注文できるので、アート作品を楽しみつつ、ゆったりと読書できる空間となっています。 店主と会話し、路上観察という言葉を初めて知りました。着眼点が面白いなと、個人的に思いました。

店主へのインタビュー
お店を始めたきっかけ:アートと音楽ができるアトリエを構えるとき、本も好きだから一緒にやろうと思ったから。
置かれている本の種類:音楽、芸術、街並み
おすすめの本(お店のイメージ):トマソン(著:赤瀬川原平)、今日の芸術(著:岡本太郎)
店主に「おすすめの本、あるいは、このお店っぽい本を教えてください」と質問すると、迷いながらも2冊紹介してくださいました。路上観察の面白さが「トマソン」という本にも関係していますので、気になる方はぜひ、読んでみてください。また、高知路上観察学会という活動もあるので、検索してみてください。

MP Studio
住所:高知県高知市旭上町30ー2
営業時間・定休日:不定休 せ
公式Instagram: @m_pointstudio
『サイハテ』
百石町にある、夜の間のみオープンしている本屋です。 周辺には街頭が少なく、初めて訪れる際には、この先に?と思われるかもしれませんが、看板を目印に進んでください。

2階建ての一軒家になっているため、一見本屋に見えませんが、中に入ると雑貨やCD、本が販売されています。

お店にある本は、店主がイメージと違うと感じると、時折入れ替えているとのこと。家具は全てアンティークで揃えられており、店内のBGMや装飾にこだわりを感じられます。

私がお店に行った際には、ふくろう絵馬氏の個展が開かれていました。

店主へのインタビュー
置かれている本の種類:90年代サブカル
なぜ90年代のサブカルなのか:店主の青春時代が1990年代から2000年代のため
店主のおすすめ本(お店のイメージ):異常快楽殺人(著:平山夢明)、虐殺器官(著:伊藤計画)、豊饒の海(著:三島由紀夫)、レベルE(作:冨樫義博)、画集(高畠華宵、竹久夢二、中原淳一、若冲、ダリ)
店主から置いている本やサブカルなど、様々な話を聞かせていただいたため、お店を始めたきっかけを聞くことを忘れていました。
店主に「おすすめの本、あるいは、このお店っぽい本を教えてください」と質問すると、多くの本を紹介してくださいました。その中から店主が厳選した本を紹介します。また、ここにはありませんが、店主が紹介してくださった「完全疾走マニュアル」という本は個人的に興味深かったです。90年代は色々と刺激的なので、気になった方はぜひ立ち寄ってみてください。



サイハテ
住所:高知県高知市百石町2丁目12ー5(廃墟と駐車場の間の超細道を入った一番奥の建物)
営業時間:18:00~22:00(最終入店21:30)
定休日:なし(毎日)
公式Instagram: @saihate.thebookstore
『井上書店』
帯屋町にある、今年で開業85周年を迎える古書店です。

1940年に梅ノ辻で開業し、戦争の影響で一時休業。戦後、中央公園側の電車通りで営業を新たに再開。12~3年後に都市開発で移転し、現在に至ります。店主が2代目であり、初代は店主の奥様のお父様でした。ご夫婦で経営されている歴史ある古書店です。店頭には多くの古書が販売されていますが、「日本の古本屋」という全国古書籍組合の組合員のみが出品できるサイトでネット販売も行っています。メインは店頭での販売なので、出品数は少ないとのことです。

実際に店頭で買われる商品と、ネットで買われる商品を比較すると、ネットのほうが専門性の高い難しい本が売れるそうです。ネットならではの傾向だと感じました。
昔は海外からの注文もあったようですが、現在は日本国内にのみ対応しているそうです。

店主へのインタビュー
置かれている本の種類:郷土史、宗教、思想哲学、芸術
店主のおすすめ本(お店のイメージ):寺田寅彦覚書(著:山田一郎)、仏トンボ去来(著:桂井和雄)
両者ともに、高知県出身であり、出身者ならではの高知に関連する作品となっています。
店主に「おすすめの本、あるいは、このお店っぽい本を教えてください」と質問すると、高知に関連する本を紹介してくださいました。「寺田寅彦覚書」は寺田寅彦の人間形成と文学を知ることのできる本であり、寺田文学を知るにおすすめの本です。「仏トンボ去来」は高知の民族に関する本となっています。ここのお店は郷土史が本当に充実しているので、高知のことが知りたくなったら、ぜひ立ち寄ってみてください。

井上書店
住所:高知県高知市帯屋町2丁目1-1 井上ビル2階
営業時間:10:00~19:00
定休日:月曜日・火曜日
『十月』
越前町にある、ギャラリーとカフェが併設している本屋です。

以前は菜園場で2年営業していましたが、閉店し、現在の場所で2年前に営業を始めました。8割は新本であり、店主が出版取次から購入し、お店で販売しています。小さな出版社から購入することもあるそうで、出版業界のお話は興味深かったです。


店内には「23(ふみ)」という本屋があり、本屋の中に本屋があります。

ここではギャラリーがあるため、アートに触れる場としても、良い作家を知るきっかけの場としても楽しめます。私が行ったときは、映像作家でありアーティストの大木裕之氏の個展「刺青」が開催されていました。店主から個展に関する貴重なお話を聞かせていただきました。表現する、という言葉や、ギャラリーという場の意味を考えるきっかけになり、心に響きました。
また、カフェもあるのでコーヒーを飲みながら読書をすることも可能です。クッキーなどのお菓子も販売されており、購入できます。
店主へのインタビュー
お店を始めたきっかけ:自分でできることを最大限にし、感動して生きていきたいから
置かれている本の種類:文学、芸術、暮らし、建築、医療(精神系)
店主のおすすめ本(お店のイメージ):定年のデザイン(著:里見和彦)
店主に「おすすめの本、あるいは、このお店っぽい本を教えてください」と質問すると、「定年のデザイン」を紹介してくださいました。牧野植物園をリニューアルした際に、展示をデザインしたのが、この本の著者である里見和彦氏です。この本を取り扱っている本屋が少ないそうなので、気になったらぜひ立ち寄ってみてください。

十月
住所:高知県高知市越前町2丁目7-6
営業時間:月・火・金・日 10:30~18:00、土 10:30~21:00
定休日:水曜日、木曜日
公式Instagram:@october_kochi
まとめ
個人が経営されている本屋に行けば、思いがけない1冊に出会えることでしょう。実際、私も個人で経営されている本屋に行くと、様々な本に巡り合います。大型店舗では見たことのない本や、既に絶版になっている本、以前から気になっていた本などを見つけることがあるからです。オンラインでは味わえない感動が、本屋にはあります。皆さんも一度、個人で経営されている本屋に立ち寄ってみてはどうでしょう?この記事をきっかけに、貴方が良い本に巡り合えますように!



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