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14.畑山を訪ねるーゆずの魅力を発見ー

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ゆずの名産地 高知県安芸市

 南を太平洋、北を四国山地に囲まれた高知県には多くの自然豊かな風景が見られる。海と山両方の自然の恩恵を受けたこの土地には、多くの農作物が存在する。そのうちの一つが「ゆず」である。冬至の日には湯船に浮かべ、料理にも使われることのあるゆずの多くは、高知県で生産されている。高知県内で最も多くゆずを生産しているのは、県内東部に位置する、安芸市である。

しかし、高知県に馴染みのある人に「ゆず」のイメージを尋ねると、多くの人が「馬路村」と回答する。馬路村とは、ゆずを用いた飲料商品「ごっくん馬路村」というジュースを販売している村である。過疎化が深刻化している村で、地域おこしや地元のPR商品として馬路村が売り出しているものである。その影響もあり、ゆずの生産地としての認知度が高いのは馬路村であるということができる。一方で、ゆずの生産量が1位の安芸市は、あまり周知されていない。

そこで、安芸市におけるゆずの生産について、私の祖父母が暮らしている畑山(はたやま)地域を通して紹介していきたい。

安芸市 畑山に行ってみた!

 畑山は安芸市の中でも山間部に位置している地域である。高知市内から車で1時間30分ほどの時間がかかる。畑山に向かう道中には、イノシシや猿、タヌキ、鹿などの獣が多くみられる。これは余談ではあるが、私がゆずの収穫に行った際には、鹿の頭の骨と思われるものが落ちていた。

山道では狭い一本道が続き、対向車とすれ違うにも一苦労である。道の横には、今にも崩れ落ちそうな橋も存在する。ガードレールのない道を30分ほど走ると、小さな集落が見えてくる。そこが畑山である。

畑山で常に生活をしているのは、私の祖父母を含んでも2,3組である。そんな小さな集落である畑山には、広大なゆず畑が存在する。開けた場所だけでなく、傾斜の急な山の斜面にも多くのゆずが植えられている。また、ゆずが植えられている山には先ほども述べたような野生動物が多く生息している。

ゆずの栽培

  ゆずの収穫時期は11月から12月の2か月間である。その2か月は、親せきや地域の人々が協力して、ゆずの収穫にあたる。ゆずは1本の木に約100個もの玉が実る。ゆずには当たり年と外れ年というものが存在し、実が大きく色づきの良い玉が多くなる当たり年と、玉が小さくかなり小ぶりな玉が多い外れ年が交互にやってくる。

今年2025年のゆずは当たり年である。ぜひそのきれいな色づきや玉の大きさを手に取って実感してほしい。

高知に散らばるゆずの行方

  ゆずの用途については最初に述べた通り、冬至の日に湯船で使ったり、料理に使われることも多い。

 私の祖父母は、収穫したゆずのすべてを玉として出荷するのではなく、小ぶりなゆずは、搾ってゆず酢として保管する。20個以上のコンテナに入れたゆずをみんなで搾る。その際に、搾ったゆずの汁が手や顔に飛び散ることがある。すると、自分の手がすべすべになっていることがある。ゆずの汁に含まれている成分には、肌を潤す効果があり、美容液としても用いられることが多い。

 また、ゆずの皮を使った甘露煮やゆずのジャムは私のおすすめである。

まとめ

高知県が誇る「ゆず」。県内東部に位置する安芸市での栽培は、人口の減少や厳しい自然環境の中で行われている。

 一方で、そこでしか感じられない楽しさや、自然との触れ合いが心を豊かにしてくれる。ゆずを育て、様々な方法で日常に溶け込むその様を実際に感じることのできる場所なのかもしれない。

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