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*独断と偏見も含まれます
旅行するなら…
“旅行”といえばどこを思い浮かべるだろうか。ディズニーシー・ランド、東京ドームシティなどのテーマパークやその他諸々で溢れかえっている東京か。清水寺や渡月橋など日本古来の文化遺産で日本固有の和を感じることができる文化シティでお馴染みの京都か。ついこの間開園したばかりのジュラシックパークで物議をかもしている南国の沖縄か。と、1つ1つ挙げていくと切りがないくらい楽しそうなところが日本国内にある。
ところが高知の場合はどうだろうか。家族や友達で国内の旅行先について話し合うとき、上記で挙げさせてもらった東京、京都、沖縄はかなり候補として上がりやすいだろう。しかし高知を旅行先で選ぶのは少なくとも王道ではないと思われる。高知に限らず怪しいところは他にもいくつかあるが、これもまた1つ1つ挙げていくと切りがない。せっかく高知ネットという場を設けさせてもらったということで、ここでは「高知の魅力は何なのか」、「そもそも魅力はあるのか」について着目していこうと思う。
私が見かけたとある記事にはこう書かれてあった。「高知は人と人との距離が短い」、「効率化された東京では人の温度が温かくない」と。たしかに高知は“よさこい祭り”や“神祭”といった地域独自のイベントで東京とは違った形で盛り上がりを魅せている。友人の何人かが「よさこいサークル」に所属していたというのもあって実際に見に行ってみたが、感想を一言でまとめると大音量・大迫力・大人数で圧巻そのものであった。というのも今までに見てきた祭りと比べて迫力・盛り上がり方がともに段違いで、どちらかと言えば一人一人が各々楽しむというよりは町全体で盛り上がっていたようなそんな気もした。この経験を通して「高知は人との距離が短い」というのはあながち間違ってはないと考えるようになった。
上記にてよさこい祭りの話題が挙がったわけだが、よさこい祭りへ行ったことがなく何を言ってるのかよく分からないという人に向けて、私が体験したことを基にざっと解説してみる。
よさこい祭りでは盆踊りのように祭りに参加している人全員が同じ曲に合わせて踊るのではなく、それぞれのチームに分かれて踊る。そしてチームごとに個性的でとにかく派手な自家用車があって、そこから流れている曲に合わせて踊るという流れになっている。チームによって曲・踊り・テーマ・所属してる人の年代層がバラバラになっているため、色々なチームを比べてみて「この人達は何を表現したいのか」、「他とどういった違いがあるのか」など探してみるのも面白い。つまり終始ずっと新鮮な雰囲気を味わうことができるため、まず飽きることはない。
行ったことのない人は是非とも実際に足を運んでもらいたい。そこには文章だけで伝えきれない魅力がたくさん詰まっている。 ただ、1つ敢えて注意点を挙げるとするならば、大音量・大迫力・大人数故に音が心臓に直接響いてくるような感覚が数時間続く。もしかすると心臓への負担が心配な人は用心しなければならないかもしれない。参考までに、下にある写真の左側はチーム“叢雲”、右側はチーム“花山海”である。


問題点?
ここでふと思ったことが1つある。それは「高知は人との距離が近い」と言う人もいるが、実際それを感じさせてくれる機会がよさこい祭りや神祭などといった限定的なイベントしかないということである。 限定的...要するに年間を通すと機会がほとんどないというのにも関わらず、「これこそが高知の魅力だ」と言い張るのも否定はしないが少しばかりどうかなと思ったりもする。また、期間が限定的であるならば、その祭りと上手いことタイミングを合わせ高知へ行けば良いという意見もよく分かる。確かにその通りではある。しかし、これが旅行・観光となれば話は別になるだろう。観光業界における限定的なイベントというのは特別感という箔がつく一方で、各々が好きなタイミングで見に行くことができないというデメリットも持ち合わせている。
つまり、どのタイミングで旅行しても楽しく年中無休のディズニーシー・ランドやUSJなどとは違って、定期的に安定した観光客数を確保できないというのはかなり致命的ではないかと思われる。旅行するタイミング次第では行くところが “ひろめ市場”(飲みの溜まり場)もしくは“ラウンドワン”(どこにでもある)ぐらいになりかねない。一応、その他の観光できる候補として“姫若子温泉”や“ぽかぽか温泉”も挙げられるが、そもそも高知が全体的にあまり温泉を推してるようにはみえないため上記2つの温泉についての説明は割愛させてもらう。
このまま否定的寄りな意見を述べただけで終わってしまうと、私が高知に恨みをもっているのではないかと勘違いされかねない。ということでここからは私なりの高知に対する推奨案的なものを出させてもらおうと思う。微力ながら地域活性化の礎として参考にしてもらいたい。まずは下の写真を見て欲しい。


これらの写真は地域学実習の現地学習で私が実際に行った高知市内の“鏡村”の様子である。現在村に住んでいるのは14人ほどで30代以下の若手はもういないそうだ。この村の感想を一言でまとめるなら、とりあえず空気が美味かった。ただ、村の人らにとってはこれが普通らしく「空気の美味しさ」を村の良い所として言及した人は一人もいなかった。それでも普段から都市部や住宅街などで生活している人達にとっては分かりやすいくらいに“空気の違い”や“雰囲気の違い”を肌で感じることができると思うので皆にも是非とも味わってもらいたいものだ。県立大(永国寺)から15キロくらい離れているため頻繫には行くのは難しい。だが行く価値はちゃんとある。
ある程度字数を稼いだところで本題に移るが、鏡村の良さはずばり「人と人との距離が圧倒的に近い」、「村の人の温度が圧倒的に温かい」ということである。冒頭で述べた高知の良さを体現しているのは、もしかするとこの鏡村なのかもしれない。実際村の人に「村の好きなところ・良いところ」など伺ったところ、こんな興味深い回答がかえってきた。「色々なとこへ転勤してきたけど、ここの面子が一番安心する」、「地域の人らが財産」と。つまり、高知県がやるべきことは、鏡村のような高知の魅力を体現した村を全力で支援およびサポートすることである。すでに実行してたら……..ドンマイ。

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